一定の地域に住む人々が日ごろから親睦と交流を通じて連帯感を深め、地域に共通する様々な課題をみんなで協力して解決し、ふれあいのある快適なまちづくりを目指して自主的に活動している住民自治組織です。

 急病人がでたときや長く留守にするとき、また、育児に悩んでいるときなど、隣近所に相談ができたり、頼める人がいたらどんなに心強いことでしょう。
 また、地域の人達が、お互いに笑顔であいさつを交わし、文化やスポーツ活動を一緒に楽しむことがあれば、私たちの生活はもっと心豊かで楽しいものになるのではないでしょうか。現代の人々はさまざまな価値観を持って生活しており、生活スタイルも異なってきています。しかし、私たちの生活は、会社や事業、個人や家庭内だけではスムーズにいきません。地域内での交流は、家庭内での家族の交流と同様に大切であり、地域の人たちが理解を深め、心通う人間関係をつくり出し「住みよいまち」をつくることが、町内会づくりの原点であり、大きな目標の一つでもあります。
 地域には、個人や家庭の力だけでは解決できない様々な問題があります。例えば、防火や防災の対策、交通安全の問題、青少年の健全育成、ごみ処理などの環境対策、健康診断等の健康に関する問題、地域の福祉に関する問題などは、行政と地域に住む人たちが協力し、力を合わせて取り組まなければ本当の解決ができない問題です。そのため、日常生活の基盤である地域社会を住みよい豊かなものとするために、そこに住む人たちが力を合わせて取り組む町内会活動が必要となってきます。

 このように、町内会の役割、機能は幅広く活動分野も多岐にわたっています。前述したように、少子高齢化社会の時代の到来とともに、個々のライフスタイルも、その考え方や仕事・余暇時間などに見られるように大きく変化し、多様なライフスタイルが生まれてきております。そのため、町内会への加入問題、役員のなり手の問題、活動の停滞などの問題も出てきています。しかし、一定の地域内において全戸加入を原則に結成され、多機能な役割を果たし、地域全体の諸問題に対応していく町内会には、特定の問題についてのみ活動する集団には期待しえない機能と役割があり、そのことが地域住民から期待されているとも言えます。

 町内会の活動を進めるにあたっては、地域の特性をふまえながら、一人ひとりの住民の知恵やアイデア、主体性を活かすことが望まれます。それが、楽しく持続性のある地域づくりに繋げていく第一歩といえるでしょう。
 参考までに、町内会の活動と行事に共通的な例を挙げてみました。これらをもとに、地域のみなさまで楽しめるような“味付け”なども加えて一年間の活動メニューを作り、計画的に進めることが大切です。